日本 国内プロジェクト
 
金華山島のニホンジカ
 

調査地:宮城県鮎川町金華山島

主任研究者:

高槻 成紀助教授(東京大学総合研究博物館)
南 正人 大阪市立大学、理学博士
大西 信正 ビッキオ研究員

調査期間:
2003年度の開催はありません。
参考資料として、過去の開催概要を掲載しています。

募集人数:最少2人、最大8人
研究分担金:学生 28,000円、一般 33,000円

調査概要:
写真1
1980年代から金華山島のシカの個体数調査を、また1990年以来毎年3月、シカの生け捕りを行っています。面積10平方キロほどの小さな金華山島には、約500頭ものシカが生息しています。この生息密度は一種の生態学の実験場であり、シカの生態学や植生におよぼす影響などが研究されています。島の西部にある神社一帯の約100頭のシカは、一頭一頭識別され、名前がつけられています。1990年以降に生まれたシカすべては、年齢もわかっており、母子関係も明らかにされています。野生動物についてこのような詳細な調査が行われている例は世界的にもほとんどなく、成果が注目されています。


調査の目的:
金華山島は信仰の島として長年保護されてきたおかげで豊かな自然が残っています。ことにブナやモミを中心とした原生林とシカとサルに代表される野生動物はほかの場所ではみることがむずかしい貴重なものです。このような自然をよりよい形で残してゆくことは大きな意味をもっています。シカは体が大きく、頭数も多いのでこの島の生態系のキーストーン種となっています。そのためシカの生態学とシカと植物との相互作用に関して幾多の研究がおこなわれてきました。ここのシカは1960年代から個体数調査が継続されており、世界の野生動物の個体数調査のなかでも最も長期的に継続されているもののひとつです。

また、1990年からは神社周辺に生息するシカを個体識別して行動観察を行うとともに、毎年3月に捕獲して体重や外部計測を行い、シカがどのような一生を過ごすのかをできるだけ詳細に記述し、これまでの「シカ全体」でまとめられてきた生物学をより鮮明に理解することを目的としています。このような背景からこの調査は、毎年定期的に行っている個体数調査と生け捕り調査で、その成果は金華山島生態系の保全の指針として利用されます。

調査方法とボランティアの役割:
写真2
ボランティアの役割は経験の程度に応じて作業を決めます。このプロジェクトに以前参加した経験者であれば、捕獲そのものに参加してもらいます。また野外調査の経験がある人には記録係などの作業があります。未経験者には、研究者の指示に従って、捕獲のさいに必要なこまごまとした作業を行い、経験をつんでもらいます。シカを追い出すときなどは全員で作業を行います。

集合場所と交通:
2002年3月8日(金曜)夕方までに金華山島の黄金山神社に集合してください。船着場からすぐです。JR仙石線石巻駅から宮城交通バスで終点鮎川まで(鮎川に駐車場あり)。鮎川の観光桟橋から定期船またはチャーター便(くじら丸020-799-2128、岡田0225-45-2339)で金華山島へ(30分)。交通費は仙台から金華山島まで片道約3,000円。

持参装備品:
防寒具(想像以上に寒い)、寝袋、雨具、汚れてもよい上着(古い雨具を着るかツナギの作業着など)、着替え(下着を含む)、長靴(必携)、軍手、洗面道具(風が強く目や唇が荒れるので目薬やリップクリームなど)、保険証、磁石(あれば)、筆記道具、デイパックタイプのザック、水筒(魔法瓶がよい)、携帯電話(もっていれば)、おやつ等。

その他:
写真3
毎晩、スライドや資料を使って研究成果の発表を行います。また、自然保護や野生動物と社会のかかわりなどについても議論します。飲みながら、食べながらの気楽な勉強会です。 調査終了後、島でゆっくりしたい方または延泊を希望される方は、先生の許可を取りますのでお申し出ください。

注意:
シカの捕獲は力仕事(シカと格闘する)で危険が伴います。これまで事故はありませんが、かすり傷や打撲は覚悟してください。従って、体力に自信があり、若くて積極的なボランティアを歓迎します。40歳以上の方はご遠慮ください。

参考書:
高槻成紀、1998「自然史の窓、2・歯から読みとるシカの一生」岩波書店、143p 等
 
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