プログラムの成果

教師のリアルな体験が
子どもたちに感動を与える

  1. HOME
  2. プログラム成果
  3. 2004年スリランカの寺院のサル調査。教科横断型の授業やクリティカルシンキングの大きなヒントが得られた。

視点・実践の変化
鈴木 眞由美
東京都

2004年スリランカの寺院のサル調査。教科横断型の授業やクリティカルシンキングの大きなヒントが得られた。

簡単にプロフィールを教えて下さい。
私立の中高一貫校にて国語教師をしており、現在は、教頭を務めています。環境問題に関しては、教材等で多く扱っていたので、参加する前から関心を持っていました。学校では、生徒を連れて何度かカンボジアを訪れ、ワークキャンプを行っています。
プログラム参加によって環境教育への想いはどのように変化しましたか?
実際に現地の先生の研究内容を通して、紙面上では見えない細部の大きな問題がはっきりと見えて来ました。この体験を通して、ひとつの問題点を視点を変えて考えることの大切さを学びました。今、特に力を入れて行っている教科横断型の授業やクリティカルシンキングの大きなヒントになっています。中学の国語表現授業では1年間を通して環境問題などを題材にディベートを行っています。生徒の成長は目を見張るものがあります。生徒たちの環境への関心の高まりを感じています。
今でも忘れられない出来事などがあれば教えてください。
この体験を通して大きく考えさせられたことが二つありました。
一つは、ボランティアとは何かです。さまざまな国から集まったメンバーと寝食を共にしながらいろいろなことを話しましたが、その中で一番驚いたのはボランティアに対する考えの多様さでした。私は日本人的なボランティアの考えに固執していたところもあり、このプログラムに参加したことをきっかけに生徒たちと一緒にさまざまなボランティアの形を模索するようになりました。特に本校は帰国子女や外国籍の生徒が多く在籍している学校なので、海外での体験との比較などを通して多くの考えに至ることができました。
二つ目は日本の文化を知ることの大切さです。私はスリランカに派遣されたのですが、特に地元のスタッフが日本の文化を知りたいと言うことで連日質問攻めにあいました。なかでも印象に残ったのが、俳句についていろいろ教えてほしいといわれたことです。たまたま私は国語の教師だったのでどうにか話ができたのですが、これを生徒たちが受けたらどうだっただろうと考えました。自国の文化への理解も不十分なまま海外に出て行くことにならぬよう、ことあるごとに今回の体験を話しています。
なにか周囲に及ぼしたインパクトを物語る事柄があれば教えてください。
今取り組んでいる教科横断型授業の組み立てに大いに役立っています。一つのことを多面的に捉えて学んでいく、この方向性はこのプログラムに参加したことが大きく影響しています。今のところは国語を中心に「国語と美術」「国語と社会」と教科書とは離れた形で特別な授業を実施しています。この中には数学や物理を含めた内容も取り込んでいます。今後は理科とのコラボも考えて計画をしています。
子ども達の変化、同僚や保護者の変化で気づいたことについて教えてください。
中学生から高校生にPowerPointを利用しての話から、授業時での話すべてに渡って反応はとても大きなものがあります。
高校を卒業してから実際に海外へのボランティアに興味関心をもって活動に参加したり、その活動の延長線でNPOに就職したりする生徒もいます。ひとりひとり受け取り方は異なりますが、それぞれがこちらの予想を大きく上回って自分の中で考え取り組んでいてくれていると思います。