プログラム概要
生物の季節性という現象は、それぞれの生き物が気温や湿度、日照などの気候条件の変化を感じ取って生じます。この活動時期の開始日を長期的に記録しつづけることで、生き物の活動に適切な時期が気候変動と共にどのように変化しているのかを知る手掛かりになります。その変化を評価する事は、気候変動が生き物や生態系全体に与える影響を直接的に理解することにつながります。
虫の鳴き声は、写真や標本では残すことができません。私たちが聴覚をつかって(一部は機械の力も使って)把握する必要があります。そのためには多くの方の協力が不可欠です。また虫の声に耳をそばだてる経験は、ふだん視覚中心で世界をとらえがちな多くの人たちに、新しい世界をもたらしてくれることでしょう。
ボランティアの役割
ボランティアは、生活圏で聞こえるセミ類の初鳴きを観測し、観測日や位置情報の記録を行い、セミの声を録音して、それらのデータを研究者に提供します。
セミ類は、アブラゼミを必須とし、5種類まで観測可能です。
必須種目:アブラゼミ
任意種目:ヒグラシ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、クマゼミ
オンラインによる事前説明会(5月19日19:00-20:00)やマニュアルで、詳しい方法を説明しますので、調査に関する特別な知識や技能はいりません。詳しくはプログラム解説書をご覧ください
研究者・協働する方々の紹介

西廣 淳(にしひろ じゅん)先生
国立環境研究所気候変動適応センター 室長
生物多様性保全・自然再生を促進するための調査研究に従事。専門は生態系を考慮した気候変動適応や湿地の生物多様性保全・生態系修復。

辻本 翔平(つじもと しょうへい)先生
国立環境研究所気候変動適応センター 特別研究員
都市景観における送粉生態系の調査研究や生物季節モニタリング全般の業務に従事。専門は、送粉生態学。