プログラム概要
生き物の季節的な応答(生物季節;フェノロジー)は、それぞれの生き物が気温や湿度、日照などの気候条件の変化を感じ取ることで生じます。そのため生物季節の長期的な記録は、気候変動や都市化などの環境変化が生態系に与える影響を理解するうえで非常に重要なデータとなります。
虫の鳴き声は、写真や標本では残すことができません。私たちが聴覚をつかって(一部は機械の力も使って)把握する必要があります。そのためには多くの方の協力が不可欠です。季節の変化を耳で感じる経験は、いつもの道を少し特別な場所にしてくれることでしょう。
ボランティアの役割
ボランティアは、生活圏で聞こえるセミ類の初鳴き日(その年で最初に鳴き声を聞いた日)を観測し、種類や位置情報の記録を行い、鳴く虫の声を録音して、それらのデータを研究者に提供します。
セミ類は、アブラゼミを必須とし、何種類でも観測可能です。
必須種目:アブラゼミ
任意種目:ヒグラシ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミ
オンラインによる事前説明会(5月29日(水)19時からを予定)やマニュアルで、詳しい方法を説明しますので、調査に関する特別な知識や技能はいりません。詳しくはプログラム解説書をご覧ください。
研究者・協働する方々の紹介
西廣 淳(にしひろ じゅん)先生
国立環境研究所気候変動適応センター 副センター長
生物多様性保全・自然再生を促進するための調査研究に従事。専門は生態系を考慮した気候変動適応や湿地の生物多様性保全・生態系修復。
柗島 野枝(まつしま のえ)先生
国立環境研究所気候変動適応センター 高度技能専門員
生物季節モニタリング全般の業務および里山の生物・環境調査に従事。専門は、両生類の生態学。
このほか、辻本翔平先生(名城大学)をはじめとする研究者の協力を得て実施します。