いつも道端や空き地で見かけるタンポポ。日本は、地域ごとに約30種類ものタンポポが自生しているタンポポ王国です。日本固有のタンポポ(「在来タンポポ」と言います。)も多く存在し、都市部にまだ自然が残されていた頃には、街の中にも存在していました。しかし都市化が進むと、より生育環境や繁殖特性が合っていた外来タンポポに置き換わり、今ではあまり見かけることがなくなりました。
では、いつも見ているタンポポは、何者なのでしょうか。
2015年に策定された「我が国の生態系等に被害を及ぼす恐れのある外来種リスト(通称:生態系被害防止外来種リスト)」には429種類の生物が掲載され、重点対策外来種の1つに「外来性タンポポ種群」も挙げられています。一方で外来タンポポも、いまや日本の生態系の一部として機能しているとも言われています。
日本における「生物多様性4つの危機」には、①人間活動による危機、②自然に対する働きかけの縮小による危機、③人間により持ち込まれたものによる危機、④地球環境の変化による危機、が挙げられています。
この調査では、3つ目の危機「人間により持ち込まれたものによる危機」の程度を、日本在来のタンポポと外来タンポポの地理的分布や雑種個体の頻度などから明らかにしていきます。
プログラム概要
ボランティアの役割
ボランティアは、普段の生活の中で見つけた在来タンポポの花を1つ採取し、スマートフォンなどで採取した場所の位置情報を調べて調査票に記入します。
調査票の記入情報を、ウェブサイトに掲載されている調査フォームにも入力して送信します。
一つの封筒に一つの花と調査票を入れて、宛名ラベルと120円切手を貼り、郵送します。(調査票や宛名ラベルは、プログラム解説書の巻末にあります)
※一つの封筒には複数の花を入れないでください。複数の花を同封すると、花粉が混じり、分析できなくなります。必ず封筒を分けて郵送をお願いします。
1. 在来タンポポを見つけて、花の部分を1つ採集
2. 観測した場所の緯度経度をスマートフォンで調べる
3. 観測者名・在来タンポポを採取した日にち・観測場所の緯度経度を調査票に記録
4. ウェブサイトに掲載されている調査フォームに3の情報を入力して送信
5. 採取した花と調査票を封筒に入れ、120円切手と宛名ラベルを貼って郵送
調査に関する特別な知識や技能はいりません。詳しくはプログラム解説書をご覧ください。
研究者の紹介
倉田 薫子(くらた かおるこ)先生
横浜国立大学 総合学術高等研究院生物圏ユニット 教授
植物系統進化学・植物地理学・植物分類学がご専門。植物の形態・保全・適応進化など研究活動に取り組みながら、教育活動にも積極的に従事。
秋山 幸也(あきやま こうや)先生
相模原市立博物館 学芸員(生物担当)
本調査の共同研究者。生態学・環境教育がご専門。相模原市自然環境観察員制度における市民参加調査の調査設計やアドバイザーを担当。
郵送到着締切6月30日(日)
参加登録料(このプログラムは参加登録料不要です)
無料
参加にあたり申込みは必要ありません。参加者が未成年の場合は、保護者の監督下で行うことを条件とします。
在来タンポポの花を郵送にて提出後、こちらの調査票フォームに以下の必要事項を入力してください。
・観測者のお名前や連絡先
・タンポポを採取した日にちや場所(緯度経度)
※一つの封筒には複数の花を入れないでください。複数の花を同封すると、花粉が混じり、分析できなくなります。必ず封筒を分けて郵送をお願いします。
複数の封筒を郵送したい方は、一つの大きな封筒にまとめて入れて、郵送してください。封入した封筒には、番号をつけて、その番号を調査票フォームの名前の後ろに記入してください。
花はポリ袋に入れて保存するとカビが発生します。必ず直接、紙の封筒に入れてください。
タンポポの分析にあたり、いただいた連絡先に問い合わせをする場合があります。また、調査の分析結果を報告するオンライン報告会のご案内も行います。
詳細は、プログラム解説書をご覧ください。