アースウォッチ・トークス「海の生き物たちの繋がりや駆け引き – 潜水や環境DNAの調査で見えてきたこと」を11月15日(水)19:00 – 20:00に開催。

アースウォッチ・トークスとは

アースウォッチの運営に携わる多彩な役員や、活動を指導してくださっている研究者の皆様による講演プログラムです。生物多様性の保全にどう関わるかなど、各々の専門と体験から語っていただくシリーズです。
SDGsのターゲット「13. 気候変動に具体的な対策を」、「14. 海の豊かさを守ろう」、「15. 陸の豊かさも守ろう」について具体的な活動例を、野外活動の意義や楽しさも含めて紹介、2022年のCOP15で決定された「2020年以降の生物多様性に関する世界目標」に関する話題を紹介など、多岐にわたる内容をお楽しみいただきながら、アースウォッチの活動や理念の特長をご理解ください。

第十二回 11月15日(水)19:00 – 20:00「海の生き物たちの繋がりや駆け引き – 潜水や環境DNAの調査で見えてきたこと」
京都大学 フィールド科学教育研究センター 舞鶴水産実験所 教授 益田 玲爾

海や川での潜水調査と水産生物の飼育実験に従事。専門は魚類生態学と魚類心理学。
アースウォッチでは、国内調査プログラム「気仙沼・舞根湾に蘇る生き物たちに学ぶモニタリング調査」(2015年~2021年)や「環境DNAを用いた魚類調査」(2020年から継続中)を指導。今年からプログラム開発委員としてプログラムの審査などに関わる。

日本の周辺海域は、世界でも有数の生物多様性ホットスポットで、4,000種くらいの魚が生息していると言われています。しかし多様な魚がどのように日本沿岸に分布するかについては、海洋調査の困難さもあり、まだあまり分かっていません。調査の難しさは保全の難しさでもあります。温暖化をはじめとする地球環境の急激な変化が海に棲む生物に及ぼす影響が心配されていますが、それを知る方法は限られています。
海に潜り、その場にいる海の生き物を観察・記録する「潜水目視調査」は、潜水技術や体力は必要ですが、比較的に手軽な方法です。しかし、潜水目視調査だけでは、多分に見落としがあります。これを補うのが、水や堆積物からDNAをとりだし、生物の在不在や量を推定する「環境DNA」技術です。潜水調査でも環境DNA分析でも、長期にわたり続けていると、生き物たちのつながりが見えてきます。
今回お話しいただく益田先生は、京都府舞鶴市の舞鶴湾で毎月2回の潜水調査を21年以上にわたり続けてきました。舞鶴湾の魚類群集は、明瞭な季節変化を示しながらも、長期的には温暖化の影響を顕著に受けており、その状況を記録し続けています。
また、先生は東日本大震災の2ヶ月後の2011年5月から被災した舞根湾に潜り、その後2ヶ月に1回の調査を現在まで継続されています。その成果はご指導いただいたアースウォッチの調査「気仙沼・舞根湾に蘇る生き物たちに学ぶモニタリング調査」にも反映されています。
当日は、舞鶴湾や舞根湾での長期モニタリングにより見えてきた、海の生き物たちの営みや、海藻のなくなる「磯焼け」など密かに海で起きている現象などを、先生が撮影された潜水写真をもとにお話しいただきます。
進行する磯焼けなど海の問題に、生き物たちのつながりを維持・回復することで対抗できないか?海の未来に貢献するために私たちにできることは何か?など、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

申し込み:Zoomによるオンライン形式(無料、事前申し込み制)

終了

次回 2024年2月を予定

隔月に開催予定です。

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