アースウォッチ・トークスとは
アースウォッチの運営に携わる多彩な役員や、活動を指導してくださっている研究者の皆様による講演プログラムです。生物多様性の保全にどう関わるかなど、各々の専門と体験から語っていただくシリーズです。
SDGsのターゲット「13. 気候変動に具体的な対策を」、「14. 海の豊かさを守ろう」、「15. 陸の豊かさも守ろう」について具体的な活動例を、野外活動の意義や楽しさも含めて紹介、2022年のCOP15で決定された「2020年以降の生物多様性に関する世界目標」に関する話題を紹介など、多岐にわたる内容をお楽しみいただきながら、アースウォッチの活動や理念の特長をご理解ください。
第十七回 5月16日(金)19:00 – 20:00「市民科学とユネスコエコパーク」
アースウォッチ・ジャパン理事長 松田 裕之
北海道や屋久島の自然や水産資源に関する各種の委員会の委員を務め、
現在、横浜国立大学ユネスコチェア
「生物圏保存地域を活用した持続可能な社会のための教育」チェアホルダー
日本MAB(人間と生物圏)計画支援委員長、アースウォッチ・ジャパン理事長。
専門は生態学、水産学、環境リスク管理。
昨年12月に浦辺前理事長から理事長を引き継ぎました。今回は当会が設立以来担ってきた「市民科学」について、それを重視し始めたユネスコエコパーク(生物圏保存地域)とともにお話ししたいと思います。
生物圏保存地域は、ユネスコ「人間と生物圏」(MAB)計画が推進する、世界自然遺産やジオパークと並ぶユネスコが選定する自然保護地域です。ただし、生物圏保存地域は単なる保護ではなく、自然資源を活用した持続可能な社会のモデルを目指す地域です。MAB計画の次期戦略では、「参加型科学」の推奨が謳われています。市民科学は、ユネスコに限らず、様々な国内外の取り組みに掲げられるようになりました。
対立から対話へ、専門家主導から市民主導へ、上意下達から草の根重視へ、手つかずの自然の保護から人間が暮らす生物圏の保護へ、生物多様性から人間の価値観の多様性へ。これらの流れは、各方面に燎原の火のように広がっています。
他方、「市民科学」という用語自体は、「参加型科学」など別の用語に変わりつつあります。どの用語に落ち着くかはまだ予断を許しません。市民科学がなぜ変わろうとしているのか、その背景と未来を、皆さんとともに考えてまいりたいと思います。
申し込み:Zoomによるオンライン形式(無料、事前申し込み制)
次回 2025年8月を予定