「企業・行政・地域ができる生物多様性保全とは?ウェルビーイング・SDGsと繋ぎ合わせた実例から学ぶ産官学連携シンポジウム」を3月10日に開催

2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、生物多様性の損失を食い止めるため、陸域17%、海域10%となっていた自然保護区などを、2030年までに30%にする「30by30」という野心的な目標が合意されました。その鍵となるのが、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域、いわゆるOECM(Other Effective area-based Conservation Measures )の設定・管理の推進です。

これからは自然保護区とOECMを合わせて30%の地域で生物多様性の保全を目指すことになり、環境省では民間の取組等による「自然共生サイト(仮称)」の認定に向けた試行を始めています。

私たちの持つ「包括的な富」は人工/人的資本に「自然資本」を合わせたものであるとして、「生物多様性の経済学/ダスグプタ・レビュー」(2021)では持続可能性への考え方の根本的な見直しを迫っています。そこでは、変化をもたらすことができるのは、究極的には自然とのふれあいを持った市民自身であることが指摘されています。

このシンポジウムでは、世界の動向をレビューし、環境省が推進する次期生物多様性国家戦略の方向性と、アースウォッチが企業や法務省と進めるOECMに関連した取り組みについて紹介します。 

プログラム

14:00  開会のご挨拶

14:10 第一部 基調講演

「COP15会議と環境省次期生物多様性国家戦略について」
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授 橋本 禅

14:40 第二部 OECMを目指した新しい試み

「矯正施設における生物多様性保全を取り入れた改善更生プログラムの可能性」
法務大臣 齋藤 健(ビデオメッセージ)
法務省矯正局成人矯正課 企画官 森田 裕一郎

15:10 パネルディディスカッション

パネリスト
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授 橋本 禅
清水建設株式会社 環境経営推進室グリーンインフラ推進部 部長 橋本 純
法務省矯正局少年矯正課 課長 西岡 潔子
横浜国立大学教育学部理科教育講座 准教授 倉田 薫子
モデレーター:東北大学大学院生命科学研究科 教授 藤田 香

司会:フリーアナウンサー 小谷 あゆみ

日時:2023年3月10日(金)14:00-16:00

どなたでもご参加いただけます(申込制・無料)ウェビナー形式でオンライン開催。

 

登壇者のプロフィール(敬称略,登壇順)

橋本 禅(はしもと しずか)
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)メンバー。専門は、生態系サービス、シナリオ分析、土地利用計画。博士(農学)
森田 裕一郎(もりた ゆういちろう)
法務省矯正局成人矯正課 企画官
1995年法務省入省。主に刑事施設における企画・立案業務に従事。2020年7月より現職。受刑者への改善更生プログラムとしての環境教育、矯正施設における地域社会・民間企業等との連携などに取り組む。
橋本 純(はしもと じゅん)
清水建設株式会社環境経営推進室グリーンインフラ推進部長
2016年清水建設入社、2021年より現職。千葉県富里市での湿地グリーンインフラ再生を通してアースウォッチ・ジャパンと連携中。専門は、ランドスケープ・アーキテクチャー。
西岡 潔子(にしおか きよこ)
法務省矯正局少年矯正課 課長
1993年法務省入省。少年鑑別所、刑事施設に法務技官(心理)として勤務。2020年7月より現職。少年院在院者の教育プログラムにおける地域社会、民間企業等との連携、次代を担う子どもの心のケアなどに取り組む。公認心理師、臨床心理士。
倉田 薫子(くらた かおるこ)
横浜国立大学教育学部理科教育講座 准教授
令和4年より横浜国立大学「人間と生物圏共生を基軸とした持続可能な開発のための教育(ESD)研究拠点」を主宰し、生物文化多様性に関する研究を進める。専門は、植物系統分類、植物地理、生物多様性保全。博士(人間・環境学)
藤田 香(ふじた かおり)
東北大学大学院生命科学研究科教授
生物多様性の動向やOECM、自然共生サイトの動きなどをウォッチしている。環境省中央環境審議会および環境省生物多様性国家戦略委員会の委員。
小谷 あゆみ(こたに あゆみ)
フリーアナウンサー、農業ジャーナリスト
持続可能な農業・農村を取材、執筆。農林水産省世界農業遺産等専門家会議委員。

後援:法務省、株式会社小学館集英社プロダクション

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