オンライン・シンポジウム 「木曽馬文化を持続可能な未来に活かす」を3月6日に開催

長野県木曽町にある開田高原は、木曽馬の産地として300年以上の歴史をもっています。20世紀半ばには700頭近い木曽馬が飼われており、馬のための採草地や放牧地として約5,000haの草原が広がっていました。しかしその後、馬の飼養が衰退し、今も残る草原は約5ha、約40頭の木曽馬はその大部分が「木曽馬の里」などでの保存・活用事業によって飼われています。

今も残る草原の一部では、春の火入れと秋の草刈りによる伝統的な管理が続けられており、草原に生息する生物の多様性が高いことがわかっています。また、刈草を「ニゴ」と呼ばれる干し草積みにして冬の飼葉にする技術など、木曽馬や草地に関わる伝統的知識や文化が伝えられています。

このような伝統的な草地管理と木曽馬に関わる文化を再生し、特色のある地域づくりにつなげようと、植物や木曽馬の研究者や地元NPO「ニゴと草カッパの会」などが集まり、「木曽馬文化と草原の再生チーム」を発足しました。このチームは、2020~21年にアースウォッチ・ジャパンとともに、全国から市民ボランティアを募り、開田高原の植物調査と木曽馬文化を学ぶ市民調査を計画しました。しかし、新型コロナ感染拡大のため開催できない状況が続いています。

このたび、木曽馬文化と草原の再生チーム主催で、地域の伝統文化と生物多様性との生きたつながりである「木曽馬文化と草原」を伝え、このつながりをどう活かすかを考えるシンポジウムを企画しました。

木曽馬に興味がある、開田高原に行ってみたいなど、どなたでもご参加いただけます。

プログラム
13:10 話題提供
  *木曽馬の生物学       岐阜大学応用生物科学部(獣医学) 高須正規
  *開田高原の素晴らしい生物多様性とその成立要因  
                 東京大学大学院農学生命科学研究科(生態学) 内田 圭
  *木曽馬の過去・現在・未来  木曽馬保存会 中川 剛
  *木曽馬文化を未来に活かす  ニゴと草カッパの会 田澤佳子
14:40 パネルディスカッション

日時:2022年3月6日 (日)  13:00~15:00
募集人数:100名/申込制
対象:どなたでもご参加いただけます
参加費:無料
方法:zoomを利用してオンラインで開催

主催:木曽馬文化と草原の再生チーム
後援:木曽町、木曽町教育委員会、木曽町環境協議会、アースウォッチ・ジャパン
本事業は、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金、公益財団法人大阪コミュニティ財団の助成を受けています。

 

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