温帯域の沿岸に見られる海草藻場(アマモ場)は、熱帯のサンゴ礁やマングローブなどと同様に、生産性が高く、さまざまな動植物の生息の場所として、沿岸環境で重要な役割を担っていると考えられます。しかし沿岸における人間の経済活動の拡大に伴い、その分布面積の減少や機能の劣化が心配されています。
私たちは、この重要な沿岸生態系を保全するために、生物群集の構成や変動様式と、さまざまな環境要因の関係を明らかにするための、広域・長期的な研究に取り組みます。海洋生態系は陸上生態系よりはるかに多様な生物が観察されます。私たちの調査では、アマモ・コアマモなどの海草やムラサキイガイなどの二枚貝類をはじめ、日ごろ目にすることが少ないさまざまな生物を間近に観察できます。
これらの生物間のつながり、および環境との関連性を明らかにしていくことにより、生物の多様性が非常に複雑な相互関係で成り立っていることが理解できると思います。近年進行する地球温暖化に代表される環境変動が、沿岸生物群集の変化を通じて沿岸生態系にどのような変化を与えるかについて予測することにより、今後の人間活動を含めた野外生態系のあり方を考える機会になればよいと願っています。
プログラム概要
ボランティアの役割
アマモ被度調査(植生マッピング)に関連した作業を行います。 東京湾富津干潟に設けた調査区において、出現する海草類(アマモ、コアマモ)および二枚貝類(ムラサキイガイ)の空間分布を測定します。調査範囲にメジャーを張って1mごとのメッシュに区切り、各メッシュに出現する種類を胴長をはいて徒歩で記録します。
研究者の紹介
仲岡 雅裕(なかおかまさひろ)先生
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 厚岸臨海実験所 教授
研究分野は、海洋生態学、特に沿岸生態系の生物多様性の研究
山北 剛久(やまきた たけひさ)先生
独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)技術研究員
研究分野は空間生態学。沿岸や深海に生息する各種が分布する場所を推定し、重要な地形や海域を特定することや、アマモの時間変動と空間パターン形成について研究している。
日程/募集人数
2022年
チーム1 :6月12日(日)日帰り 10名 終了
参加登録料(2024年3月末まで有効)
3,000円
調査に参加するのに、会員資格は問いません。16歳以上の健康な方なら、どなたでもご参加いただけます。