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ネズミ捕り名人、バンディクート
Bandicoot: As Useful as a Cat

写真1
1817年、西オーストラリア州のシャーク・ベイにフランスの科学調査船、ウラニー号がやって来た。一行はニシシマバンディクート(Perameles bougainville〔旧名ニシシマフクロアナグマ〕)を数匹捕獲した。

ニシシマバンディクートは、かつてはオーストラリア大陸の乾燥地帯のいたるところで普通に見られた。だが、大陸の外から持ち込まれた捕食動物(ネコとキツネ)とウシ、ウサギ、ヒツジなどの家畜として移入された動物によって引き起こされた生息環境の変化や、牧草を育てるために行われた野焼きなどによって数が減った。日中はたいてい、ブッシュの下に積もった落ち葉の中にもぐり込んで寝ているため、比較的簡単に賢いハンターであるネコやキツネの餌食となった。1929年までに、ニシシマバンディクートはオーストラリア本土から姿を消した。シャーク・ベイには他にも30種類の哺乳類が生息していたが、その60パーセントと同じ運命をたどったのだ。そして、人間や外来の動物が簡単には近づけない、2つの離島だけに生き残った。

ニシシマバンディクートは、バンディクート科の中では最も身体が小さく、体重がたった250グラムしかない。しかし、彼等は優れた夜行性の食虫動物で、ベリー類、木の根、種子、ネズミをはじめとして、ミミズやクモなども餌としている。1866年、博物学者のジェラルド・クレフト(1830〜81。1861から14年間オーストラリア博物館の館長を務める)は、ニシシマバンディクートがネズミを捕まえるところを観察した。記録によると、ニシシマバンディクートは「前脚でネズミを転がしたり放り投げたりして、ネズミの後肢を折る」そして「あっという間に」最高で20匹程度のネズミを殺すことができた。クレフトのキャンプのそばには数匹のニシシマバンディクートがいたが、クレフトは、それを見て「ネコ同様にネズミ退治がうまい益獣である」ことがわかったと書いている。そう考えると、ネコがバンディクートの衰滅の原因となってきたというのは皮肉である。

有袋類としては、バンディクートは多産だ。その理由のひとつとして、これまで哺乳類としてわかっているうちで最も短い妊娠期間が挙げられる。バンディクートの妊娠期間は、わずか12.5日である。そのかわり、生まれた子どもは非常に小さく、体長は1センチ、体重は0.25グラムしかない(成獣の体重の、なんと千分の一!)。小さな子どもは、生まれると8つの乳首のひとつに向かって自力で這い進む。乳首は入り口が後ろ向きについた母親の袋の中にあり、外の世界へ出るまでの45〜60日間、ここで乳を飲む。子どもは袋から出ると1か月もたたないうちにひとり立ちし、もし環境が整っていて食べ物が豊富なら、母親は再び妊娠する。バンディクートのナワバリは数頭のナワバリが重なっているが、中心となる行動域には他のバンディクートは入らない。また、オス同士は攻撃的になるが、ヘイリソン・プロング生物圏保護区の個体群は意外におとなしいうえに「罠慣れ」していて、捕獲し調査している間もあまり押さえつける必要がない。
 
出典: 『ネイチャー・オーストラリア』、1997、Vol.25、 20-21ページ
プロジェクト: 有袋類の保護)

翻訳: アメリア翻訳プロジェクト (担当:くろべえ)
 
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